2013年09月28日

福知山線脱線事故判決

 歴代社長の刑事責任を問う福知山線脱線事故の判決が出た。
 予想どおりであり、私の考えどおりであった。

 前に書いたが、カーブによる脱線事故の予見性と速度超過防止のATSを設置しなかったことの刑事責任を追及したものだ。

 カーブでの脱線が、この場所でのカーブによる脱線事故が予見されなかったのか。予見されていて事故防止対策をしていたら事故は防げた。だからそれをしなかったのは悪いという理屈。
 
 カーブであれば、日本全国どこの路線でも、大幅な速度超過をすれば必ず脱線する。ここに限ったことではない。この地点でカーブがきつかったから事故は予見できたという理屈は、無茶すぎる。
 逆説的に言えば、どこだってカーブで大幅な速度超過で突っ込めば脱線することは予見できる。当たり前だ。車だって同じこと。
 判決理由は、原因は大幅な速度超過という運転士の過失だったという、当然の判断。
 ここは福知山線の改良による付け替えにより半径が狭くなり急カーブになったという特殊事情を考慮しても、その付替工事自体に過失があった訳でもなく(まあ、線路のカーブは緩いにこしたことはないが、都市部など用地確保や接続する路線との物理的状況、その他諸々の事情で理想どおりにはいかない)、経営陣がここに特定して事故を予見できたはずという訴えはおかしすぎる。

 ATS設置義務を怠ったという点は、この時点で法的義務はなかった。
 さらなる安全対策を怠ったら刑事罰を受けるということになったら、鉄道事業はやっていけない。もちろん法的義務はなくてもさらなる安全対策を進めることは必要だし、これまでも歴史的に見ても、鉄道会社は努力を積み重ね安全対策を進化させてきた。ATSにしても、当初からあるS型からB型、P型と、以降も私の理解の範疇を超えた新型新機能のATSへと発展してきている。

 予見性とATS設置義務を焦点とした、個人の経営責任を問う刑事事件としての訴えは、法的に無理がありかぎる。

 では、だれも悪くないのかという遺族の訴えも、一理ある。
 
 JR西の運転士への教育、待遇面での問題である。
 懲罰的な日勤教育による運転士へのプレッシャーを与えるような人事管理制度。そしてスピードアップによる余裕のないダイヤも、運転士へのストレス、緊張を高める要因となり、余裕を持った運転行動ができなくなったという事実は、とても重い。 これこそ、経営陣の失態であり、運転士が速度超過に陥った根本原因である。
 速度超過という、この1点だけ見れば、運転士の過失以外の何も原因はない。事故予見性の理屈はここに限ったことではないし、安全設備を設けなかったら犯罪だなんてことも言える訳ない。
 しかし、そのような運転ミスを引き起こした原因を作った経営陣の責任は、厳しく問わなければならない。
 もし訴えるのなら、事故予見性とATSの設置義務を問うのではなくて、事故と運転士のミスを引き起こした運転士の人事管理、日勤制度などの制度を作ったことで事故を引き起こした責任を問うという、事故とJR西の人事制度、教育制度、ダイヤの問題などとの因果関係を問うものにすれば、私も納得できる。そういう意味では、経営陣は重罪だ。決して無罪とは思えない。
 ただし、因果関係を認めるさせる裁判というものも大変難しいだろう。因果関係の証明というものは、別名「悪魔の証明」とも言われていて、とても困難だ。しかし、裁判官もそれならば違った判断をしてくれるかもしれない。

 検察審査会による強制起訴というのも、鉄道事故のような専門性のきわめて高い案件に素人が判断するのも無理なのではないかと思う。感情的に許せないというものだと思う。法律解釈の専門家があきらめたのだから、法的解釈を下す裁判官が曲がった判断はできないはずだ。

 新聞等は、遺族寄りの偏った書き方で、あれもどうかと思う。門外漢の有識者などの感情的な意見ではなく、真に専門的に冷静な人のコメントなども載せてほしい。柳田邦男さんが適任だ。

 福知山線脱線事故をはじめ、鉄道、航空機事故、そして、鉄道、航空機事故よりも何百、何千倍もの数の人が命を落としている自動車交通事故、すべての事故で亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

 




   

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2013年09月23日

JR北海道脱線事故

 大沼駅で発生した脱線事故の原因が究明されてきた。
 最初は原因はなんだろうかと疑問だった。
 走行中のポイントの誤作動とか、とんでもないあり得ない原因なのかとも想像した。
 ポイント上を列車が通過しているときは完全にロックされていて誤作動は絶対にしないようになっている。

 しかし、原因は、別の意味とんでもない、お粗末なものだった。
 線路の幅を点検して、不備がわかっていながら、それを長期間放置したためだったとは。

 レール間の間隔の誤差が19ミリまで許されているとは知らなかった。
 レールの幅は1067ミリだから、2%まで広がっていてもいいということだ。
 ということは片方で1センチ、これって結構なズレだと思う。
 レール幅が狭くなれば車輪のフランジに当たって、乗り上げ脱線するだろうし、広まれば当然、車輪がレールから落ちる。
 このレール幅の精度保持は安全走行の基本だろう。
 PC枕木なら車両走行の圧力が繰り返されても、線路幅が変わることは少ないと思う。
 しかし、ポイント部は木製枕木が基本だから、保守点検は重要なはずだ。

 こんな事故になるまで放置したJR北海道は情けないが、現場の状況はどうなのだろうか。
 マスコミは、コスト削減で、人員と予算を削った結果ではないかとも言っているようだが、そういう単純な大きな問題とは違うようだ。
 現実にJR化後に、JR北海道としてはそういう人員はかなり削減しているらしい。
 しかし、私が疑うのは、JR本体の関与が限りなく低くなってきたことが原因ではないかと思う。
 
 保線作業にJRの正社員はどの程度関わっているのか。保線作業自体を計画から立案、保守工事までを小会社、関連会社にまる投げしているのではないかと疑ってしまう。
 情報伝達ができていなかったと言っているが、もともと線路の維持管理に本体のJR北海道が関わっていないのではとも疑ってしまう。地区ごとに不備の数も違うという。保線作業を請け負っている会社の能力差なのではないか。

 最近は保線作業用の車両もJRの所有ではなく、保線作業を請け負う会社の所有物らしき車両も見かける。
 マルタイなどの横に、保線作業を請け負う会社名がしっかりと書かれているのだ。あれも、点検から保守工事までの保線作業の相当の部分を専門会社にシフトさせている証拠だと思う。保守車両までもがJR本体は所有せずに、関連会社に持たせてコスト削減みたいな。
 そういう安全の根幹にあたる部分を、本体のJRから別会社にやらせることで、コストを削減しているのではないか。

 今回の事故原因となった点検後の作業不備そのものは、予算の問題でも人員の問題で手が回らなかったのでもなんでもなくて、ただの作業忘れ、伝達ミス、補修工事漏れみたいだ。
 判明してからたった3日で、判明した全不備箇所の整備が完了したという。これこそ、今までやろうと思えば、気がつけばいつでもできた工事だったという、決して人員不足や予算がなかったなどという経営の根幹部分が原因ではなかったという、お粗末さの証明だろう。

 本線部はしっかり点検していたが、副本線部は忘れていたとか、どうもウソくさい言い訳に聞こえてくる。
 経営方針を根本から見直した方が良いのでは。
 特急用気動車が火を噴いたり、エンジンが壊れたり、車両整備のお粗末さも際だってきている。
 直営作業が減って、車両整備から保線までなんでもかんでも関連会社任せにして、JR本体の技術力が落ちていることが根本原因ではないのか。正社員を減らすために安全保守部分まで切り離すことは許されない。窓口や駅ナカの商売とは違うのだから。

 前回の脱線は大雨による路盤の洗掘が原因だから仕方ないが、脱線事故が突出して多すぎる。
 しかも、JR貨物のフレートライナー、コンテナばかりが被害者である。
 民間企業が鉄道貨物を信用しなくなり、これ以上トラック輸送が増えることは看過できない。
 自社の気動車特急が130キロ走行中に脱線転覆して死者が出る前に、改善してほしい。

 JR北海道さん、車両は火を噴くし、ATSを壊すバカ社員はいるし、貨物が脱線した今回のお粗末保線作業も判明して、とても公共交通を担う大企業とは思えません。経営が苦しくても安全第一にがんばっている地方の中小私鉄を見習って、直営作業をもっと重視してください。

 鉄道の安全性、信頼性を脅かすことは許せません。
   

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2013年09月20日

情けないを通り越した JR北海道

いったいなんなんだろうか、JR北海道でまたまたまたまた、脱線事故。
原因がまだはっきりわからないので、安易なことは言えない。

先月、大雨のため路盤が洗掘されて貨物が脱線した事故は、天災による不可抗力で、JR北海道のせいではない。

しかし、脱線事故ばかりだ。
やっぱり、車両整備のコスト削減と同様、保線部門もコスト削減で手を抜いているのではないかと、疑問である。

ニュースで、JRが怖いと言われている。もう終わりである。そういうことを言われたら。
代行バスに並ぶ乗客の長蛇の列。鉄道の信頼は地に落ちている。


勘弁してくれ。  

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2013年09月19日

情けないぞJR北海道 再

またまたまた、JR北海道がやらかしました。
大丈夫かこの組織は、本当に。

北斗星牽引機のDD51重連を運転する運転士が誤作動させたATSを、機器故障のせいにするためわざと破壊した。
DD51の運転台は、前後に1つずつ、ATSスイッチも両運転台にある。
そして、重連だから、計4つある。それをぶっ壊した。
何をやっているんだろうと思う。
しかも、壊して誤魔化そうなど、幼稚園児かおまえはと言いたい。

こんな低レベルの人間が、JRに正社員として入社できるのかと思うと、本当に情けない。
頭がいかれているのではないか。精神病院で看てもらった方が良い。
この運転士は30代だという。ならば国鉄時代の採用ではなく、JR化後の採用である。
もう今は、50代以上でないと、国鉄時代の残党はいないだろう。
そういうベテランを現場で見かけることは少なくなった。
私が就職活動した時期は、国鉄分割民営化前で一切の採用の門は閉ざされていた。
今の職員には、鉄道員としての誇り、プライドはないのか。
どんなバカでも入社できるのか。
たくさんの乗客の命を預かる鉄道運転士は、もっと誇り高い、高度な知識と技術を持った人間であるはずだ。

まあ、東海道新幹線の運転士を見ても、外見だけだとひよっこばかりと思う。
女子供が入社してすぐに新幹線運転士になれるんだな、と見た目は思う。
国鉄時代はもっと下積み生活が長かったはずだ。
駅の便所掃除、出札、改札など駅員から始めて、貨物取扱、操車場など経験、そして車掌へ。車掌だって最初は普通列車から優等列車へ。
優等列車の車掌長、専務車掌など、経験がなければ絶対になれなかった。
今の新幹線の車掌は、制服姿が七五三衣装みたいな幼児体型の新卒の若造が車内改札をしている。
そして試験を経て運転士に登用。在来線の普通列車、優等列車など経験してから新幹線運転士にやっとなれたはずだ。
今のように、若造が入社して2~3年で新幹線運転士になれるシステムではなかったはずだ。
蒸気機関車の機関士、機関助士など、非力な女性には永遠に無理だったはずだ。投炭を続けるなど出来っこない。

JR北海道は、前に、覚醒剤運転士もいた。
トンネル火災に遭って、現場で避難の判断もできない運転士と車掌もいた。
指令を無視して誤発車させた駅員もいた。
車両故障の頻発、整備技術の低下。それに伴う減車と減便。
車両基地などもみんな外注と委託、外部の人間ばかりという。安全より経費削減。

過疎地域のJRの運営が厳しいなら、国費を投入して安全を維持するべきだ。
高速道路料金の割引なんかに国費を投入するくらいなら。
本当に不公平だと思う、自動車偏重の政治と経済。

これだけ事件事故が重なると、もうじき大事故、大惨事を巻き起こすのではないかと危惧する。

絶対をつけて良いほどの安全性を誇る鉄道を、情けないJR北海道の手で信用を失墜させることは、絶対にやめてほしい。  

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2013年08月01日

鉄道のブレーキは踏みません

 あ~あ、テレビではしつこく、ブレーキを踏んだって言っているよ。
 鉄道のブレーキは、踏みません。かけるものです。足ではなくて、手で操作しています。
 こんな当たり前のことが、マスコミはわかっていません。著名な人たちも、アナウンサーもみんな、ブレーキを踏んだの踏まなかったのと言っています。
 クルマはブレーキを踏みます、足で操作します。クルマと鉄道は違いますよ。
 
 スペインの列車事故、最初に映像を見たときは、もうCGを作ったのかって思いました。監視カメラの実像でした。
 映像を見ると、確かに2両目か3両目の電源車らしき車両が最初にひっくり返って、つられて先頭がひっくり返っていきます。
 日本の新幹線なら、ATCで制御されているから、スピードがオーバーしたら自動的にブレーキがかかります。極端な話し、運転士がむりやり加速する操作をしても、運転士が居眠りをしようといなくなっても、勝手にブレーキがかかります。
 運転士が故意にATCを切ったら、やっぱりブレーキがかかります。
 スペインの列車はどういう制御システムなのか、報道からはまったくわかりません。なんせ、マスコミは、ブレーキを「踏む」と言っているような、極めて程度が低いものなので。

 スペインの事故、あらゆる手段でブレーキをかけたって。なんなのその表現は・・・
 ブレーキを非常位置にするだけで最大限のブレーキがかかります。電気ブレーキと空気ブレーキが最大にかかります。あらゆる手段のブレーキって意味がわかりません。なんか暴走する列車を止めるみたいな映画の観すぎでは。
 鉄道車両の基本がまったくわかっていない人がニュースでしゃべらないでほしい。鉄道会社の人はきっと、笑っていますよ。  

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2013年07月31日

情けないぞJR北海道

 JR北の特急がこの夏、運休する特急がたくさん出るそうな。
 なんか情けないです。
 どこか根本的な組織的問題があるのでしょう。
 国鉄時代にこんな情けない事態はなかったでしよう。
 もちろん、初期故障で、キハ80系とかオーバーヒートしていたようなこともあったけれど、改善されていきました。
 もう何年もたっている車両が火を噴いたり、オイルが漏れるなど、管理能力の劣化としか言えないのではないか。
 コスト削減で事故を起こして、本数削減で乗客に迷惑をかけて結果、お客さんが鉄道から離れていくことになるんですよ。
 本数削減のあおりを受けて、NHKのニュースで立客が多く見える特急を見て、危機感が募ります。  

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2013年06月21日

接触?激突? 日本語がおかしい

 先日、阪神電鉄の大石駅で男性が電車と接触して、運転席の前面窓ガラスを破って運転席に飛び込んだというニュースがあった。
 急ブレーキをかけて次の西灘駅で停車し、救急隊員が男性を降車させた、と書いてある。
 男性運転士はガラスの破片を浴びたが軽傷で、その後、三宮駅まで運転したあと病院へ運ばれたとある。

 なんか、このニュース、突っ込みどころ満載な気がします。
 男性が電車と「接触」?、電車の運転席の頑丈な前面窓をぶち破って「接触」はないだろうと思う。どう考えたって「激突」でしょう。
 そして、救急隊員が男性を「降車」?させたとある。降車させるという表現は、ケガや急病や酔っぱらってたりして自分の意思で降りられない人を補助しながら下車させるというような雰囲気だろう。
 飛び込んだ男性はほぼ即死だろう。こういう場合「降車させた」ではなくて、「運び出した」という表現の方がよくないか。
 最後に、軽傷の運転士が三宮駅まで運転したって?。
 よく運転させたと思う。人が運転席に飛び込んでとんでもない状況に遭い、ガラスを浴びて軽傷の状態で、しかも前面ガラスはめちゃくちゃな状態ですよ。
 阪神電鉄はよほどダイヤの回復を優先させるんだなと感じました。それはそれでその姿勢は評価するけれど、なんかちょっと無茶なんではと思いました。
 JRだったら、そこで電車止めて、交代運転士を手配して、慎重に回送したと思う。だから、阪神のこの事故では1時間後に通常運転を開始したとあるけれど、JRだったら三時間は止まったなと思います。
 JR西は、ちょっとしたことでも電車を止めて、しょっちゅうダイヤが乱れていますもんね。

 鉄道事故の報道を見ていると、どうもなじめない言葉をやたら使う傾向があると思います。
 たとえば、最近よくある山間部での鹿との衝突事故。これも、鹿と「衝撃した」といつも書いてある。「衝撃」ではなく「衝突」の方が一般的ではないか。「衝撃」は、衝撃を受けるとか衝撃があったという使い方が正しくないか。「衝撃」を動名詞として「衝撃する」とか「衝撃した」とかいう使い方は良いのでしょうか。「衝撃」も「衝突」同じ使い方で問題ないのかな。自信はありません。だけど「衝撃した」は違和感があります。

 あと、鉄道ではないが、原発などの「事故」を「事象」と騙るやり方。あんなことやるから益々、信用が失われていくんですよね。役所とか大企業の本当に悪い点です。事なかれ主義、責任逃れそのもの。最近の大組織は、上層部が小物ばかりになっているから、そういう判断をするんだろうと思う。

 最後に、私のこの文章も、「ですます調」と「だである調」がまざっているので、正しくありません。新聞記事ではないので・・・

   

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2013年01月21日

パンタグラフ 取れてた

今日、東京メトロ和光市駅の引き上げ線に止まっていた東武9000系のパンタグラフがもげて、架線にぶら下がっていました。
9000系の全パンタグラフに作業員が群がって点検してました。
これ、結構大事故のような。  

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2012年11月13日

三岐鉄道脱線事故 再び

 三岐鉄道がまたまた事故を起こしました。
 状況がわかるまで軽はずみなことは書くまいと思っていました。

 報道を見る限り、「ただの信号無視」、みたいな。

 安全側線の存在、それ自体が懐かしい言葉です。

 単線区間で、行き違い駅でブレーキが利かないなどの理由で列車が暴進した場合、本線に進入して対向列車と正面衝突となる最悪の事態を回避させるために、赤信号の時に列車が暴進したときに、本線に進入することを防御するための施設です。
 安全側線に進入させるという発想が、今の鉄道システムからはなくなっています。ATC、CTC、その他、ローカル線でも進化してます。はっきり言って、前時代的なタブレットを扱っている単線手動閉塞そのもの。

 それが機能したということは、三岐鉄道の安全システムは、前時代的なものなんでしょうか。

 原因が信号無視なんて、低次元な自動車交通と同レベルです。安全を誇る鉄道としては、弁解の余地はないような。
 信号無視しても安全側に働く、多重安全装置はなかったのか。

 しかし、単線区間で信号見間違いなんて、常識的にありえないはずなんだけど。  

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2012年11月13日

名古屋市営バス 乗客車内置き去り

 名古屋市営バスが、眠りこけた乗客を車内に置いたまま車庫入りしてしまい、閉じ込めたそうな。
 今日の中日新聞夕刊も社会面で大きく報道、NHKも報道してます。

 そんなに大騒ぎすることですかね。
 ただの酔っ払いの女が車内で横になって熟睡して乗り過ごし、そのままとなったんでしょう。

 たしかに、車庫に入り最終点検を、座席を確認するのが当然なんでしょうが、大騒ぎしすぎではないのですか。
 日本はよほど平和なのか、他にニュースがないのか、役所のミスは徹底的に攻撃するのがマスコミの王道。

 終電を乗り過ごして、終点の駅に放り出されるのは当たり前だけど(外が猛吹雪でも、氷点下でもね・・・)、パスにたまたま置き去りにされたら被害者になれるなんて、なんか納得いきませんよ。
 眠りこけて降り損ねた客を、終点でその客を無慈悲に降ろしていればなんの問題にもなっていないのか。その方が不親切でしょうに。

 当事者の女も、恥ずかしくてタクシーで逃げるように帰ったというのが真相でしょう、きっと。

 マスコミの視点は、日本をますます変な方向に誘導していくのか。  

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2012年09月25日

京浜急行脱線事故

 首都圏の韋駄天鉄道、京浜急行が脱線事故。
 私は東京の大森生まれ、京浜急行には幼い頃から乗っていました。
 関東の鉄道らしからぬ高速運転、気持ちいい鉄道です。東武鉄道とは対極の粋の良い私鉄です。
 カーブは多いけれど、急加速と急減速を繰り返すメリハリのあるダイヤ構成です。
 がけ崩れに巻き込まれて脱線事故を起こしました。

 JRの高山本線とか、線路際でがけ崩れとかが起きたら、センサーを張り巡らして、異常が起きたら自動的に赤信号を発しますよね。
 そういう装置が京急にはなかったんでしょうか。
 時間100ミリの雨なら、JRなら自動的に規制がかかって抑止ですよね。
 でも、局地的豪雨では、そういった対策も追いつかないのではないでしょうか。
 
 NHKのニュースで、事故にあった車内からツイッターとかで状況を発信している連中も多かったとか。
 まあ、たいしたことではないのでしょう。
 そういう脳天気な人はどうでもいいけれど、怪我した人は気の毒です。
 大越アナが、公共交通機関の安全性を訴えていました。
 そのとおりです。
 毎日、何十人も死んでいる自動車交通に比べれば、鉄道は安全です。
 それだけ信頼されているから、事故に対する目は厳しいのです。

 警察が、運転士を業務上過失致傷の疑いで任意で事情聴取しているとか。
 あいかわらず、ど素人の警察は、誰が悪いを決めることしか能がないようです。
 こんな事故で、運転士には1ミリも過失はないでしょう。そんなこともわからんのかね。
 京急の体制には少し疑問もあるけれど、事故を想定するあまり、なんでも安全側、要するに責任逃れの対応をすると、結局、利用者が不便をこうむるんですよね。
 ちょっと雪が降っただけで都市高速を閉鎖するような。
 
 天災に対する備えは、難しいと思います。
 誰も悪くない。
   

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2012年06月28日

三岐鉄道脱線事故

三岐鉄道の貨物列車牽引の機関車が脱線事故を起こしました。
過去にも同様な事故があったとか。

鉄道事故としては死傷者もなく、軽微な事故のレベルかな?
事故現場のポイントや配線もよくわからないので、なんとも言えません。

しかし、ニュースを見ていると、警察の鑑識?かなにか知らないけれど、やたら写真を撮ったりして現場検証をしていました。
警察に何がわかるんでしょうかね。
警察なんて、鉄道に関しては「ど素人」です。
事故が発生したら、誰が悪いか、それだけを決めるだけのことでしょう。
鉄道工学の専門家が検証すべきで、原因の特定を最優先すべきではないんですか。

この程度の事故で、復旧の見込みがたっていない、というのも情けないことです。

首都圏の通勤路線、東海道や東北本線などで同様な事故が起きたら、翌日には復旧させていることでしょう。
この違いはなんなの?という気持ちです。

ましてや、新幹線だったら、復旧が絶対最優先でしょう。

警察のとろくさい検証作業につきあっていたら、数は少ないだろうけれど、利用者にとって大迷惑以外の何物でもないでしょう。  

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2012年05月06日

バス事故2

 関越道のバス事故の実態が明らかになってきた。
 運転手は日雇いアルバイトで、通常はバスも持ち込みで仕事を請け負っていたなどど、もうめちゃくちゃだ。
 運転手と会社に罪はないと、前回は書いたけれどこれではだめだ。
 社長は、口約束だけれども雇用関係にあると言っている。そんなことは厚生年金や健康保険がどうなっているか明らかにすることで、一発でわかるだろう。なんてお粗末な経営者なんだろうと思う。
 しかし、というかやっはりそれでも、根っこにあるのは規制緩和による新規参入を大幅に緩和したことが、一番の原因であると思う。
 新聞なんかでは、国の規制がいい加減だったとか、監督責任を問うような論調だ。
 まったくいつもいつも、行政を悪者にして満足するのかね、マスコミは、と思う。それを決めたのは、そういうい制度を作ってきたのは政治家であり、それに賛同してきた国民でしょと言いたい。なんでも行政に責任転嫁することが、マスコミの常套手段だ。
 もともと行政改革や構造改革とか規制緩和とかそういう愚策を、もろ手を挙げて賛成して世論を誘導してきたマスコミと、それに便乗して人気取りをして選挙に勝ってきた政治家、そしてそういう改革バカな政治家を正義の味方のようにして選挙で勝たせてきた国民の責任だ。
 公共交通部門の規制は2000年以前の状態に一刻も早く戻して、更なる規制強化をして、コストなどよりも安全を第一にした運行をする大手業者が安心して運営できる適正な価格を維持できるようにしてほしい。価格競争で健全な業界を崩壊させるような現状を、今すぐに是正してほしい。
 そうなればツアーバスなどという形態は消え去り、適正な高速路線バス網を維持していけるだろう。そのために価格が上がることは、仕方ないし受け入れるべきことである。
 未だに改革を叫び行政を悪者扱いして、過去を全否定して人気を得る政治家には、疑問をもってほしいと思う。
 今回の事故は自動車交通社会の中で起きたこと。福知山線の脱線事故のように、マスコミが大々的に企業の責任を追及することはないだろう。マスコミの矛先は必ず大企業や役所に向かうものだから。今回も行政の責任追及に走っている。
 鉄道と自動車の安全性を比べれば、鉄道がはるかに上で信頼されているからこそ、鉄道事故が起こったときの社会の追及は大きいが、今回のバス事故は日常にあふれている交通事故のひとつとして、すぐに忘れ去られていくと思う。福知山線の脱線事故のように、毎年報道されることもないだろうし、低次元すぎる経営者と運転手の責任追及も、すぐに報道されなくなるだろう。
 自動車事故で毎年何千人もの人が死亡し、何万人もの人が怪我を負い、その中には一生障害を負って生きていくことになる人も生んでいる。しかし、こんな交通事故のリスクは、自動車そのものを減らすといった議論には絶対にならない。政治家も経済界も自動車産業のいっそうの発展のために行動し、世論から異論も出ない。
 かたや今騒がれている原発、これも自動車と同じ文明の利器だと思う。毎年何千人の人を殺している自動車はそのままで、原発だけを悪者にしている風潮は、比べるとなんか納得がいかない。
 自動車が生活に欠かせないものならば、電気だって生活に欠かせないものでしょう。
 原発は事故が起きたら、地域や国そのものを滅ぼす可能性もあるのだから、同列では議論できないが、現実に毎年何千人もの人を殺している自動車交通社会には何も疑問を持たないんですかと、問いかけたい。
 私は、原発については、存続か廃止かどちらに行くべきかの答えは持っていません。でも、急に全廃というのは無理かなと。徐々に廃止の方向に行くべきかなと思っています。今の日本は、事故でもなんでも何か事が起こると、右から急に左向きになったり、その逆だったりと、極端すぎると思います。中庸路線で徐々に方向転換して良い方向に持っていくようなことが必要かと。理想は原子力という人が制御できない力に頼る原発はない方が良いに決まっている。しかし、現時点では急激なエネルギー転換は現実的ではないし、電力が不足するのは間違いないと思う。節電すれば大丈夫とマスコミは否定しているが、産業界の更なる国外移転を促進することにもなってしまうし、日本経済にもマイナスに作用するだろう。20年30年と時間をかけて、代替エネルギーを開発してから、原発を廃止していくしかないと思う。
 それと、世界には原子力空母や原子力潜水艦とかが存在するのだけど、あれって何か事故や、最悪、攻撃を受けた場合、制御できるのですかね。日本の原発だけをことさら取り上げて騒ぐよりも、世界中にはもっと危険なものが身近に存在している可能性があることにも、気がつくべきと思う。  

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2012年05月02日

バス事故

 今回の事故は、起こるべくして起きたといっても過言ではないだろう。
 高速バスの運賃は、競争のレベルをとおり越している。
 今回の事故は、路線バスという公共輸送サービスではなく、あくまでツアーという「団体旅行」の形式をとっている。
 このような運賃(企画旅行のツアーの場合は旅行代金)は、大手の路線バスとは金額を違い、はるかに安い。
 大手のバス事業者は、安全面からも夜行便は2名乗務が当然で、途中で交代している。
 しかし、旅行会社(それも中小の)が企画するこのようなツアーバスは、中小零細のバス事業者にバス運行を委託する形式の団体旅行である。団体旅行だから規制もないに等しい。
 旅行会社は、バス会社に低価格を要求し、過当競争に陥っているバス業界は貸切バス料金を極限まで下げる。
 大手の路線バス業者は、安全面も一定のレベルを維持しているため、価格面ではまったくかなわない。
 金沢-東京間が3500円なんて、正常な価格設定ではない。
 世の中、物でもサービスでも、一定以上のレベルは維持しなければならない。
 昨今は、民間の価格競争で物が安くなりサービスも向上するという理論が当たり前のようにまかり通っている。
 不当な価格競争などを制御するために、法律や規制というものは存在する。
 しかし、小泉改革以降、それらの類のものは、競争性や新規参入を阻むという理屈で、ことごとく撤廃してきた。国民もそれを歓迎し、選挙の結果となってきた。その流れは今も変わっていない。
 バス事業や、タクシー業界の新規参入などがそうだ。
 それでよくなったのだろうか。
 近視眼的には、目の前の価格が下がったといういことで、みんなが喜ぶ。しかし、そのためのコスト削減のために、人件費や安全コストもどんどん切り落としてきたのが、現在の状況だ。負の部分、都合の悪い部分には目を向けず気づこうともしない。マスコミも目を背ける。だから国民は気がつかない。
 正常な対価を支払わなくなった日本は、労働者の切捨て、派遣の増加、給与の削減と、景気はどんどん悪くなってきている。
 そのことに気がつかず、よりいっそうの競争や更なるコスト縮減、無駄の削減が叫ばれている。それで景気がよくなるはずはない。そうやって国民が皆、足の引っ張り合いをやっている。役所の仕事も更なるコスト縮減をと、バカのひとつ覚えにマスコミは騒ぐ。
 どっかの市長はバカの一つ覚えに、民間活力だ民間の仕事は優秀だと、役所をバカにして敵にまわすことで人気を得ている。
 無駄とはなんだろうか。私は以前から何度も「無駄イコール余裕」であると言っている。コスト縮減と言う言葉は大嫌いである。そのセリフを聞くとイラっとする。しかし、企業も役所もその言葉が正義だ。反論すれば否定される。上から・・・・
 余裕があれば、正常の対価が支払われる世の中であれば、給与が上がり、その金が世の中をまわり、景気もよくなっていくというものだ。
 無駄が極限まで切り落とされていけば、それは糸がどんどん張り詰めるような世の中になっていくことと思う。張り詰めた糸はやがて切れる。自殺率が上がったり、会社がたくさん倒産したり、正社員が減り雇用が不安定になっている現代は、まさに余裕のない、張り詰め緊張しきった状態である。
 バス会社は生き残りのために極限までコストを下げた結果が、今回の事故原因である。しかし、バス会社やましてや運転手を単純に責めることはできない。コスト削減のツケが、現場の末端の運転手にすべてのしわ寄せが回ったのである。
 責任は、適正な価格よりも、競争による極限までのコスト削減の結果の価格を認めてきた、歓迎してきた、政治と国民にある。
 バス料金も、ここはこんなに安いから利用したみたいなことを平気で自慢する人を何人も見てきた。人は誰でも安い買い物をすると自慢するものだ。
 私は、あまりにも安い交通サービスには疑問をもってきた。JRや大手の運賃も努力の結果、抑えられているのは事実である。しかし、一定の基準を守るための最低限の原価というものは割ることはできない。しかし、中小零細企業は生き残りのため無茶をしてきた。
 人の命を直接預かる、公共輸送サービスの分野にはしっかりした規制が必要で、無秩序な新規参入や価格競争は法律で縛るべきである。レベルの低い業者は、規制により淘汰されていくべきである。
 東京-金沢の輸送サービスが3500円で成り立つということに疑問を持つべきである。新幹線や大手バスの運賃を高すぎると否定するのが間違っているのである。
 さて、最近は格安航空会社、LCCというのがはやってきている。しかし、根本の部分は過当競争にある高速バスと同じと思う。零細バス会社よりも、格安航空会社の方がはるかにまともだとは思うけれど、乗務員に清掃から窓口からなんでもやらせてコストを抑えていますとニュースでも言っていた。今回のバスの運転手と同じではないか。マスコミはそんなサービス競争を賞賛する。疑問の声は出ない。疑問の声があってもそれは放送しない、掲載しない。高い価格サービスに対しては「無駄がないのか」と文句は言うが。
 格安航空の輸送サービスの価格が適正であるのか、不当な設定であるのかは、今後、答えが出てくるだろう。
 公共輸送サービスを、ユニクロなどの物のサービスと同列で、競争やコスト削減を求めてそれを正義だとするのは大間違いであると声を大にして言いたい。
 もっともユニクロのやり方も、人件費の安い途上国で生産し、最近は店員もグローバル化だとか言って外国人も分け隔てなく採用するなど、国内の雇用や経済にはまったく貢献していないといえる。私は、正社員になりたい日本の若者を積極的に採用する企業を応援したい。
 英語を社内公用語にするなどと宣言するような企業には、公共サービスの分野には参入して欲しくない。コスト削減と競争こそが正義だ、正当な権利行使みたいなことを言って、結果として弱者が苦しめられることに気がついていないから。
 最後に、このようなバスの事故がおきても、乗用車での移動よりは死傷率はるかに低いであろうし、バスは鉄道と相対しても価格が安く、車と比べれば安全な乗り物であることは変わらないだろう。
 バスという輸送サービス分野が、今後も健全に発展していくことを祈っている。
   

Posted by よっぱらいくま at 18:10Comments(0)TrackBack(0)事故・災害

2012年02月07日

名古屋市営バス事故

市営バスが事故報告がなかったとかで、バスの使用停止処分を受けたとか、ニュースになっていました。
事故そのものは困ったことですが、最近は市営バスなどは民間委託とかやっていて、実際に事故を起こしたのは、名古屋市交通局の純粋な職員なのか、それともそういう外部委託の職員なのか、そのあたりはまったく報道されません。

身分と給与が保証された立場の人間と、外部委託で来年度はどうなるかわからない立場の、派遣職員みたいな立場の人間と、どちらが公共交通機関に携わる人間としてふさわしいか、それは明白だと思います。

最近は公共機関にも指定管理者だとか競争原理でコスト削減とか、同じサービスなら安いところへ、みたいなことばかりです。

それで公共交通の安定した安全とサービスが提供されるのか、私は少し、疑問があります。  

Posted by よっぱらいくま at 21:52Comments(0)TrackBack(0)事故・災害

2012年01月29日

福知山線尼崎事故2

今朝の新聞を読んでいて、ある弁護士のコラムが載っていた。
事故の防止を意識して危険性を洗い出し最善の努力をしていた鉄道会社の社長Aと、事故防止は意識せず努力もしていない社長Bのどちらが、今回の事故の裁判にあてはまめると有罪になるのかと。
心情的にはBであるが法的にはAになってしまうとのこと。
危険性を予見していたから有罪となると。
事故原因の究明には、刑事裁判は無意味であると前回、私は書いた。
そして、コラムでは、今回社長が起訴されたことにより、経営陣は危険な現場を知ろうとしなくなると危惧する。危険性を予測して予防策をとる努力をすればするほど、その対策が追いつかなかったときには、危険性を知っていたということで有罪とされてしまうということである。
「原因究明を裁判に求める気持ちはわかるが、それは刑事裁判本来の目的ではない。こうした起訴は事故防止の面ではまったく逆の結果をもたらしかねないということを知っておく必要がある。」と結んでいる。
まったくそのとおりである。法律と事故の現実の両方を熟知している弁護士だと思う。
新聞紙上にこのような記事が載ることは非常に少ない。
マスコミで報道されることは、遺族感情を前面に出し、遺族側に立つ内容がほとんどである。
だれかのせいにしたい、誰が悪いそれを決めることで恨みを晴らす、事故を起こした会社のトップが罰せられて当然、みたいな論調ばかりである。

別の日の新聞に載った芸能人のコラムで、人は悲惨な出来事にあったり、大切な人を突然失ったときにとる反応は通常、(1)パニックになる。(2)泣き悲しむ。(3)誰が悪い誰のせいだと追求する。(4)それを乗り越えて前に進めるようになる。と段階を踏んでいくと書いてあった。
事故の遺族、被害者には申し訳ないが、多くの被害者や遺族はまだ(3)の状態にあるのだと思う。
早く立ち直って、前へ進んで欲しい。
だれかのせいにしたい、という気持ちは痛いほどよくわかる。しかし、事故の真相究明や防止策を推進させるためには、だれかを悪者と決めるだけでは何もよくならないのだ。弁護士の意見は、誰を悪いと決める裁判では、その逆の結果になってしまうと指摘している。再発防止には逆に後退してしまうと、そこまでは私も気がつかなかった。

今回の事故で誰が悪いかは明白である。事故を引き起こした運転士そのものである。
高度な運転規則を守れなかった運転士である。
カーブが急だったとか、防護策であるATSを設置しなかったとかいった理由で有罪にできるはずがない。
控訴をあきらめた最高検の判断は間違っていない。
運転士の判断操作ミスを招いた遠因は、日勤教育などの人事制度である。直前に起こしたオーバランを罰せられると緊張状態になり、通常の操作と判断ができなくなってあせりを招き、事故につながった。
鉄道の事業者にしても、安全策をとらなかったら罰せられると裁判で決まったら、運転士と同じ精神状態になって、この社会はまわっていかないだろう。
日勤教育などの人事制度を良しとしてきた経営陣の責任追及は必要だ。しかし、それは刑事裁判では無理なのだ。原因究明と再発防止には、誰を罰する誰が悪いということを決めつける前提では、絶対に進まないのだ。
そういう意味で、日勤教育などは当事者に見せしめ的罰を負わせることが主目的であるから、事故やミスの防止策としてはまったく機能していなかったということも、また明白である。  

Posted by よっぱらいくま at 14:55Comments(0)TrackBack(0)事故・災害

2012年01月11日

福知山線尼崎事故判決

前社長が無罪とのこと。

私は、こういった鉄道事故や航空機事故に際しては、当事者や関係者を罰することよりも、再発防止のための徹底的な原因調査を優先するべきと、常々思っていた。

日本の伝統的風潮として、重大事故が起こったら、その責任は誰にある、誰が悪い、どう罰する、そういったことに重点が置かれていると思う。
しかし、それでは事故の真相究明の障害になってくると思う。

事故を起こした当事者や関係者は、自分が罰せられることになれば、真実ではなくとも自分に有利な証言しかしなくなる可能性がある。
自分のミスがどのような要因でそうなったかを正直に語ることが、そのヒューマンエラーを防止するためにはどのような対策をとればよいのか、原因究明と防止策を策定するためには重要なことだ。
遺族感情は、という側面もあるが、罰することよりも悲惨な事故を二度と起こさないためにどうするべきかを優先するべきと思う。誰が悪いと決めただけで終わらせるのではダメだ。結局、事故の真相究明を裁判に求めることに無理があるのであって、裁判は誰が悪いを決める場でしかないということだ。

当事者や関係者から真実を語らせて原因を究明して再発を防止するためには、重大な鉄道や航空機事故の当事者を免責するなどして身分保障をするくらいのことが必要と思う。
もちろん故意に事故を起こしたなどといった場合は、犯罪として罪を問うべきことは言うまでもない。

今回の事故は組織のトップの事故発生の予見性とその対策を怠った過失を問うているものだが、私はその理論にはもともと無理があったと思う。
法律ですべてのカーブに速度照査型のATSを設置する義務が鉄道会社に課せられていたのなら処罰は当然だが、当然、そんなことはない。安全に関する設備充実は所詮努力義務だ。
ローカル鉄道では、一昔前まではATSすら整備されていなかった。今でも整備されていない鉄道もあるはずだ。

私は何度か現場を、先頭車両の運転士の後ろで前面展望して通過したことがある。はっきり言って、どこにでもある鉄道のカーブである。その手前までが直線で120キロの最高速度で走り、いきなり70キロ制限だから危険だとか言うのは無謀だ。そんなカーブは日本中いたるところにある。運転士は厳格に速度を守るというい前提で鉄道は運行されているのだ。
私は現場を通ったときの印象は、こんなカーブはどこにでもある、特に危険だとかいう印象はまったく感じなかった。

JR西を擁護するつもりはまったくない。日勤教育などの余裕のない懲罰的人事教育や利益と効率重視の社風、そういったことが事故の遠因であったことはまったくそのとおりと思う。そういう面では管理責任を問うてもよいと思う。しかし、事故の予見性とその対策を怠ったという理由で罰することは無理がありすぎる。何度も言うがそんなカーブは日本中の鉄道に無数にある。
安全面でプラスになる行為を怠ったから処罰するでは、社会はまわっていかない。それを危険の放置だから処罰するというのなら、鉄道は今後、1センチたりとも進むことはできなくなるだろう。

鉄道はその運用は厳格である。
制限速度は絶対であり、逆に制限速度いっぱいに走ってダイヤを守らなければならないという側面もある。制限速度以内で走りましょうなどというでいい加減な自動車交通とはまったくレベルが違う高次元の巨大システムである。

信号に対する基本的考えも車と鉄道では根本的にちがう。
自動車交通では、青は「進んでもよい」であるが、鉄道の世界では青は「進め」である。前方の信号が青ならば鉄道の運転士は、目の前に障害がない限り進まなければならないのである。
これは信楽高原鉄道の正面衝突事故でも議論となったが、単線で列車がすれ違う信号所で信号が青だったから運転士は進んだけれど、結果として正面衝突事故が起こった、通常はその信号所ですれ違うのだから運転士には信号がたとえ青でも、反対から列車がくるという事故の予見性を問うて運転士の責任も問うべきだとの議論だ。
この議論は鉄道システムをまったく理解していない者の発想だ。
運転士にはその場に障害がなければ、青ならば進まなければいけない義務があるのだ。信号故障などを想定して運転などできないし、してはいけないのだ。

鉄道・航空機事故に際しては、誰が悪い、誰を罰するという考えから、事故の真相を究明し再発を防止することを優先するという発想に法律や社会の仕組みがならないものだろうか。  

Posted by よっぱらいくま at 20:16Comments(0)TrackBack(0)事故・災害

2011年06月12日

居眠り

またまたJR北がやらかしました。
運転中の居眠りをバッチリ撮影されるとは。
まあ、たるんでますね。26歳の運転士なんて、まだなったばかりだろうに。
JRは全般的に年齢構成がいびつで、国鉄分割民営化の影響で40代くらいの働き盛りの現場のベテラン層がまったくいません。
だから現場の駅員、運転士、車掌らは若年層ばかりです。
そういう下積み期間が短い層が新幹線の運転士から何から何までいきなり第一線の現場にいると思います。
昔がいいか悪いかわかりませんが、駅員から始めて何年もかかってやっと車掌に、そして在来線の運転士にやっとなれて、それから経験を積んで、新幹線の運転士とかになれるのは、入社から相当の年月を要したはずです。でも今はいきなり新幹線の運転士にもなれるのではないかと思えるような年齢・容姿の運転士ばかりです。
今回の顛末は、運転席がまる見えの普通電車でしたが、新幹線や特急なら運転席は見えないから、こんなことは結構おきているのではとも思います。
今はネットやらで、携帯で撮影されて、公開されてしまう。
居眠り運転は悪いことだけど、撮影自体は一種の盗撮ではとも思ってしまいます。
これはこれで、なんか嫌な世の中です。

むか〜し、私が小学校一年生か二年生の頃、国鉄京浜東北線に乗って先頭の運転席後ろで前方を見ていたときのことです。
まだこの頃までは運転席後ろのブラインドは下ろしていませんでした。
その後の国鉄時代は、運転席のブラインドは、昼間でも完全に降ろされて、前方展望は一切できない時代が続きました。国鉄の分割民営化後、JRになってから、運転席のブラインドは昼間は開けられるようになりました。
それで、まだ小さい子供だった私が前を見ていたら、横から運転士の顔見知りの男がやってきて、運転席後ろの窓を叩いて運転士に声をかけたのです。そしたらなんと運転士は走行中にもかかわらず、席を立って運転席後ろの客室との境の窓を開けて、その男と会話を始めたのです。それも男と対面しながら。ということは、前方は見ていません。5秒おきくらいに後ろを振り返って、要するに前方をちらちら見ながら会話を続けて、駅に着く前に運転席に戻ってブレーキ操作をして電車を止めました。
いやー、幼心にもびっくりしましたね、あれは。今なら大スクープものでしょうな。
そんなこともあったので、居眠りくらいじゃ驚きません。それでいいのか?
昔は昔で、今よりもとてもひどいこともあって、別の意味でおおらかでした。

しかし、電車は、少なくてもJRの列車なら、EB装置が付いているから、1分間操作しなければブザーがなって、それでも操作しなければ非常ブレーキが作動するから、居眠りしていても車に比べればずっと安全ではありますが・・・  

Posted by よっぱらいくま at 22:31Comments(0)TrackBack(0)事故・災害

2011年06月08日

JR北海道列車火災事故

ネタがなく、書き込みは久しぶりです。
北海道の列車火災事故、大惨事にならなくて良かったです。
最初は火災で列車をトンネル内で止めるなんて、なんて大バカ者かと思いましたが、脱線が原因となると難しいところです。
しかし、煙が出ているにも関わらず、指令に判断を仰ぐことを優先させる現場に危機感を感じます。現代の組織病だと思います。現場が勝手なことをやると処分する風潮は、各人の判断力を低下させ、責任感も喪失させていくでしょう。
トンネル内の火災なら、防護無線を発信させて、現場判断で緊急避難させることができる能力のある人材を育てることが大事です。
今回は乗客の判断で避難して無事でしたが、乗務員を信じて待っていたら大変なことになっていたのでしょう。
JRは、乗務員は、プロとして最低です。面目丸つぶれです。
でも、なんでも上部組織にお伺いを立てて、上の顔をたてる人のほうが組織内では出世するみたいですが。人の命に関わることの判断ができない、させないような人の育て方、やり方が、最近の風潮のような気がします。
  

Posted by よっぱらいくま at 14:01Comments(0)TrackBack(0)事故・災害

2010年11月04日

オーバーラン

埼玉の東武東上線に乗ってます。いや〜久しぶりに電車が派手にオーバーランしました。JRや地下鉄ではまず最近はあり得ないんで、本当に久しぶりでした。さすが東武。私が学生の頃から変わってませんね。  

Posted by よっぱらいくま at 11:21Comments(0)TrackBack(0)事故・災害