2014年04月15日

名古屋 基幹バスレーンの話題

今日の中日新聞。
毎度毎度、名古屋の河村市長の発言には笑わせてもらえる。

国道19号との交差点での、基幹バスの走行レーン逸脱が話題になっている。
その対応のために、なにやら「英知」を結集させて考えていくらしい。

まあ、名古屋市の「英知」とやらは、ずいぶんと安っぽいものだ。

こんなこと、運転士の教育、習熟を完璧にやれば済むことではないか。
レーンの塗装に不備があるやらなんちゃらと、道路管理者の国とも相談するとか。
それもヒューマンエラーを防ぐためのフェイルセーフということ意味では有効だし、整備をするべきだろう。

しかし、1985年から始めた基幹バスレーンの運用で、今までにそんな問題があったのか。
これまで30年近く続いていたのに、なぜ今更、こんな問題が話題となるのか。
それは、運転士の劣化だろう。

最近は交通局、名古屋市のバス事業合理化のために、バスの運行そのものを外部委託するという無茶をやっている。
それでコストが削減されるということだ。
これは名古屋市に限らず全国的な風潮だ。

誤進入をやらかした1件は、三重交通に委託していたバスの運転士だという。

鉄道であれば、その区間を運転するために線見と称して路線全体の信号位置、制限区間、勾配、駅間距離、その他諸々の諸条件を徹底的にたたき込み、習熟運転訓練を経て、やっとその区間を営業運転できる。
路線バスを同じバス事業者とはいえ外部の委託業者に運行を任せるなど、私に言わせれば、新幹線の運転を業務委託や派遣社員にやらせるも同然の行いだ。

外部に安い金で委託して、受注した会社も最低限の経費で運行する。
運転士に対する教育訓練も、最低限なのだろう。
そして再雇用職員を使ったりと、運転士の給与も安いのだろう。
それで民間の効率的営業を取り入れ、交通局の経営改善に寄与したと自慢するのだろう。

今回の対策はたったひとつ、訓練され路線に習熟した、名古屋市交通局の正規職員である運転士が100%運転すればよいだけのこと。
交通局職員であったとしても、100%事故を防げる訳ではないが、慣れない外部の者よりもミスする確率は減るだろう。

そして、契約更新(単年度か複数年度契約か知らないが)の度に受託事業者が変わったら、また慣れない運転士が運転するという悪循環にもなるのである。

中日新聞も、最初は三重交通の委託運行バスだと書いたが、最近は黙っている。
マスコミも問題の根本には目を瞑りたいのだろう。行政改革だのなんだのと、役所の合理化は何にも優先して正当化したいのだろうから。

名古屋市長の「英知」とやらは、職員減らし、給与削減、合理化、コスト削減、外注のことなんだろうけどね。

河村市長には、どこから見ても「英知」が備わっているようには見えません。
この交差点では、外国人が右折するときに迷うだの、大津通の中央分離帯は撤去できないのにこの交差点の危険性は放置しているので怒りに震えているだのと、支離滅裂なとんちんかんなこと言っている。
大津通の中央分離帯撤去が自分の思惑通りにいかないのと、基幹バスレーンの問題ををごっちゃにするなって言うの、アホか。
こういう問題に興味もないのでしょう。新聞に掲載されていたやりとりを読んでも、そうとしか思えませんね。低次元すぎて。
この程度のことに「英知」なんて言葉を使うことがそもそもね。
地域委員会と減税と、議員、職員の給与削減だけしか、あの方の頭の中にはないから。

基幹バスの安全についてもう少し真面目に考えると、まずは、基幹バスレーンの一般車の走行を全面的に禁止にするべきです。
基幹レーンを猛スピードで走る車は、市長も問題意識を持っているようだし。
クルマの利便性を意図的に落として、公共交通のバスの利便性を向上させるべきです。
そして、基幹バスのシステムそのものは、路面電車を踏襲しているのだから、いっそのこと基幹バスレーンに全部軌道を敷いて、路面電車にすれば安全性は大幅に向上しますよ。
現在の基幹レーンの停留所は、そのまま路面電車の停留所に流用も出来ますし。
でも、基幹レーンが終わった終点から引き続き通常の道路を走ることができないから、乗り換えが生じるデメリットにもなるか。

名古屋市も栄地区と名駅を結ぶ路面電車構想とかもあるのだから、いっそ基幹バスレーンも取り入れて、路面電車を復活させたらベストでしょう。
全国的に路面電車が見直され復活の兆しが見える中、環境面からも高評価されるでしょう。
富山市を見習ってほしいです。

でもクルマ社会、クルマ優先思想の中部地方、トヨタの城下町(お殿様はトヨタ)の名古屋市や、トヨタの下請け(トヨタの家来)の愛知県では、路面電車化など富士山よりもハードルは高いと思います。
そういうところを調整し、大所高所から物事を判断して進めるのが、政治家たる市長の仕事のはずなんだけどね。

本来、そういう高度な仕事をしてもらうために、市長の給料は高くてもその働きに見合った正当な報酬だと思うんだけど。
でも、あの人には自分の給料を安くして自慢するくらいの能力しかないもんなあ。
河村市長の働きは年収800万円相当しかないということを、自ら立証しているのでしょう。


Posted by よっぱらいくま at 20:44│Comments(0)TrackBack(0)名古屋市

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