2014年04月26日

最近のバス事情から

 今日の新聞に「バス運転手不足深刻」との見出しが。
 そして同時に運転手の高齢化も進み、中途採用ばかりで若手が入らないという。
 バス業界は規制緩和によって、新規参入が加速し業者が乱立し際限ない価格競争を強いられてきた。
 ツアーバスの安全運行に対する杜撰さは目にあまり、悲惨な死亡事故が起こってからやっと規制強化され、ツアーバス形態の運行はなくなった。

 それでも、事故は続く。
 今回、一宮JCの事故を起こした運転手と会社はおそまつ過ぎる。社長自ら過労運転し、長野で追突事故を起こし、中央道で蛇行運転で警官に注意され、三度目の正直、二度あることは三度あるを絵に描いたように、高速道で反対車線に突入し暴走、何十台もの車を巻き込む大事故を起こした。死者が出ず、軽症者だけで済んだなんて本当に奇跡だ。本当に良かった。大型バスの運転手がここまでいい加減なんて、暴走族の方がよっぽどまともだと言いたくなる。
 こんな零細バス事業者が今でも生き残り、そんな杜撰なバスが運行されているなんて、背筋が寒くなる。
 大規模なバス事業者以外、バス事業が出来ないように徹底的に規制強化するしかないだろう。そのために運賃、バスツアーが高くなっても、そして零細バス会社がすべて消えても。

 バス運転手の待遇は改善されないままである。低賃金重労働では人が集まらないのも当然だ。
 その低賃金を正当化しているバカが大阪にいる。
 橋下は以前から、大阪市営バスの運転手は給料が高すぎる、民間は半分だと言い放ち、低賃金を正義としている。
 公共交通のバス運転手の待遇をよくしなければ、高い質は保てないだろう。
 名古屋市営バスでもくだらないミスが増えていくのも、低賃金化と連動した運転手の劣化が原因だろう。
 民間の低賃金が間違っているのであって、大阪市交通局の賃金が真っ当なのだ。
 若者がバス運転手を担っていき、安全運行ためには、正当な対価、適正な賃金を払うしかない。

 テレビではここ10年でバス事故や運休は3.4倍になったと言っていた。
 事故の増加は、小泉の規制緩和の始まりと同時期、ぴったりと時期が整合する。
 小泉のせいで、バス事故は3.4倍になったのだ。これが規制緩和の答えだ。
 規制緩和が正義という理屈で改革の名をかたり進めてきたのが、あの小泉である。
 過度な規制緩和で日本の安全を壊した、そういう唯一の成果を残したのが、郵政民営化という結果が何も見えないのと同様、小泉の残した成果だ。こんな奴をどうして今でも、一部では高く評価するのだろうか。

 また、格安航空LCCのピーチエアが、機長が足らなくてこれから何千便と減便するという。
 これも低賃金でパイロットを雇ってきて、人が確保できずもう限界なのだろう。格安の世界の限界が露呈した結果だ。所詮、格安で航空機を飛ばして質を保持するなど不可能だということだ。適正価格に戻せば良いだけだ。それかつぶれるかだ。格安航空の限界が安全面でいつ現れるのだろうか。そのときは、多大な人命が失われるときだろう。そしてやっと、バス業界と同様に、事故を受けて規制が強化されるのだろう。犠牲者が出なければわからないのだろう。

 バイトが集まらずに一時閉店に追い込まれるすき家。大学生のバイトに頼り過酷労働を強いる外食産業。みんな、価格競争の結果だ。
 しかし、最近の若者はなぜこのような過酷労働を受け入れるのだろうか。私の学生時代の頃は、そんなひどい状況ならとっととやめていたし、責任感などなかった。反骨精神はあっても、勤め先が困るからなんて心配して無理してシフトを入れたり、ましてやサービス残業など絶対しない。今の若者は素直すぎるというか、まじめ過ぎるというか、もっと社会に疑問を持ち、強く、逆らうくらいの精神力を持ってほしい。バイトなんて、追い込まれたら逃げればよいのだ。他にバイトの仕事などいくらでもある。そういう業界、職種は慢性的に人不足なのが実態だ。やめる際に次の求人費用を払えなんて言われて従うような素直さは、単なるバカだ。
 最近の職場に来る新卒者を見ても、みんなまじめで態度もよく素直な奴らばっかりだ。くせもなく個性もない、逆らうようなこともない。現代はそういう生き方の人間しか評価されないのだろうか。私の若い頃は(今でも)逆らうし素直じゃないし、あの頃は働きも今の若者の半分以下だった。今の新卒者は優秀だし、本当に素直によく働く。ゆとり世代とは、こういう人間を育てるためだったのかと思ってしまう。ゆとり世代だからと言って、私は決して学力がすべての人が落ちているとは思わない。

 行政の規制を嫌い、規制緩和を進める政治家を応援していたのがDHCの社長だ。こういう民間会社の経営者が小泉みたいのを信奉するのだろう。競争こそ正義、安かろう悪かろうの世界を推し進めていくことには気がつかない、こういう人種は決して。外見だけで中身のない行政改革、規制緩和という単語だけを叫ぶアホ政治家に金を貸して、だまされたと言っている程度。貸りた方も貸した方も同等のバカである。
 今、自民党が一強なのは、どの野党を見ても、民主党をはじめ維新とか結いとか、もうみんなみんな(二重の意味)、カスとバカしかいないからだろう。私も自民党を100%信用していないが、他にまともな政党は完璧にないから仕方ない。自民党も最近怪しいけれど、自民党の政策に疑問を持っても、前政権の民主党のやらかしてきたことを思い出すと、比べたら何でもかんでも今の自民党はまともに見えてしまうから、もうだめである。
 あのワタミを擁立した時点で、私は自民党には投票はしなかったが、今の野党が野合して万が一政権を獲ったら、もう考えただけで恐ろしいというか、日本はつぶれる。それがわかっているから、自民党の一強は続くだろう。

 食品をはじめ医療、福祉、交通、物流など人の命と安全に関わる業界の規制は、緩和してはいけないのだ。なぜ規制というものがあって、企業活動が制限されているかを考え直す必要がある。
 未だに、規制緩和だの行政改革だのと言っている政治家を信用するのはやめようよ。

 最後に、名古屋の河村市長が、東山線の名古屋-伏見間の新駅構想で現地(地下)を歩いたとテレビで放送していた。
 あのおっさん、作業着とヘルメットが完璧に似合っていた。もう素人には見えなかった。職人だ。政治の世界の職人ではなく、家業の方の職人を目指した方が幸せになれるのではないか。名古屋市民のためにも。
 私は、新駅構想には賛成だ。需要は十分にある。国際センター駅の利用者数も参考となるし、国際センター駅からもほどよく離れている。


Posted by よっぱらいくま at 14:34│Comments(0)TrackBack(0)政治・社会

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