2014年09月07日

リクライニング考

 最近、アメリカの航空機内での座席リクライニングの乗客間でのトラブルについて、たてつづきにニュースがありました。
 
 リクライニングを阻止する装置が市販されているなんて知りませんでした。こんなもんが日本国内で出回ることのないことを祈ります。

 しかし、新幹線とかの座席のリクライニングについては、私も思うことがあります。
 完全に個人的意見ですので、みんながどう思っているかは関知致しません。
 まあ、このブログ自体が独りよがりの独断と偏見とワガママのかたまりなので、まあ良しとしましょう。

 新幹線(以下、「新幹線」とは東海道の700系、N700系のことです。東北系のJR東は車両がたくさんあってよく知らないので。)に乗って、正直、前の人に思いっきりリクライニングを倒されると、目障りなのは確かです。
 だいたい、皆さん、半分程度までの間で倒している人がほとんどです。思いっきり倒すと後ろの人に迷惑だと、また倒し過ぎても楽ではないと知っているからです。乗り慣れた人はよくわかっています。
 私もそうしているし、だいたいあの新幹線のリクライニングは、めいっぱい倒しても楽ではありませんし、よく眠れるとも思いません。とにかく中途半端に余計な位置まで倒れる欠陥品だと私は断言します。
 だいたい2割から4割程度の間で倒すのが、一番楽だと思います。
 そもそもあの座席は、直立状態で座る前提に出来ていません。それは、3列席を回転させるために背もたれを直立させているのです。 3列席は少しでも前の席が、B列がリクライニングされていると、引っかかって回転できません。そういう構造上、あの位置がリクライニングされていない通常位置なんだけど、あのままでは楽に座る背もたれ角度ではありません。慣れていない人か、よほど後ろに遠慮しているのか、直立したままで座っている人を見ると気の毒に思います。

 逆に、普段乗り慣れていないとひと目でわかるような客が、喜んでリクライニングを思いっきり倒しているような風景もよく見ます。そこにある機能は全部使わなければ気が済まないのか、貧乏性なのか、後ろへ全部倒して背もたれには寄りかからずに会話したり弁当を食べているのを見ると、アホかと思います。少しは後ろにも配慮しろよと。
 最悪なのは、いかにも新幹線は初めてか何年ぶりに乗りました感丸出しの家族連れやグループが、3人掛けを向かい合わせにして、全部の座席のリクライニングを思いっきり倒しているのを見ると、不愉快です。とにかく全部の機能を使わなければ気が済まない小市民なのでしょう。

 それと、リクライニングを深く倒す人間によくある傾向が、自席の隣が空いていると、自分が座っていない横までリクライニングさせる奴も結構います。後席へ配慮するという神経はないのでしょう。自分の席をリクライニングするのは仕方ないにしても、他の席まで倒して後席に余計な影響を与えなくてもいいだろうと。横の席が立ったままだと目障りだからなんだけど、目障りだと自覚しているのならば、後席にも配慮しろよと。私は絶対にしません。

 テレビなんかで、マナーの問題だから一言、後席の人に断わればよいという人もいますが、礼儀正しく言われたら誰だって「だめです」なんて言えないでしょう。そういうやりとりをして、前の人が思いっきり倒してくると、断ればいいってもんじゃねえぞっと、むかつきます。後席に断るという一見マナーを守るようになるけれど、それは迷惑をかける自分の行為を強制的に正当化させているだけではと、疑問です。よっぽど、黙って遠慮深く少しだけ倒す人の方が、よっぽどスマートだし、マナーを守っているなと私は好意的に見ます。
 以前、タバコのコマーシャルで、隣の人に「吸ってもよろしいでしょうか」と断るのがスマートな喫煙マナーとかいう内容のものがあったけれど、あれも同意の押しつけ、強制ではないかと思ったものです。吸っていいかと尋ねられて、本心は嫌でも、笑顔で「どうぞ」と答えてもらえるという前提が、偽善的でイヤでした。「俺はタバコの煙は嫌いだし体にも悪いからやめてくれ」と答えられる大物、無神経な人はいないでしょう。

 座席がそういう構造なのだから、「どこまでリクライニングさせようが自由だろ」というのもその通りだし、いちいち遠慮するのもおかしいかと思います。
 深く倒したい人が気を使って車両の一番後ろの席を選んでいるのもよく見ます。前席の影響を受けない最前列の席を選んでいる人もいます。私は車両の端は揺れるし通路ドアの開閉がうっとうしいので避けます。新幹線なら9番10番あたりがちょうど車両中央部で一番落ち着きます。

 リクライニングの角度のことで、みんないろいろ気を使ったり迷惑をかけたり受けたりしているが現実です。そんなことに気が付かない人もいるでしょうが・・・。考え方が人それぞれだからやっかいな問題です。

 ではどうしたら良いのかと聞かれれば、私は、背もたれは最適、ベストな位置に固定しておけば良いと思います。座席メーカーが人間工学を駆使して、平均的な最適位置の座席を作れば良いのです。
 日本人は細かい小細工が大好きで、リクライニングなんかも深く倒れれば倒れるほど、乗客へのサービス度が高いとでも勘違いしているのでしょう。背もたれの基本角度の直立位置がダメなんである。
 今は知りませんが、フランスのTGVは、1等車も2等車も、座席はリクライニングしませんでした。そのかわり最初から最適な位置の背もたれ位置を提供する座席をサービスする、余計なことを乗客にさせないというのが、ヨーロッパ諸国の精神なのです。レカロとか優れた座席を作るメーカーを見習うべきです。小細工は不要です。グリーン車も含めて。

 ただひとつ問題が。最初に書きましたが、3列席は現状のシートピッチだと、背もたれを少しでも倒した位置で固定したら回転できなくなります。
 それは、回転時だけ背もたれがよっこらしょと前に傾くような構造にすれば解決します。簡単でしょう。
 ちなみに、2列席は前席背もたれが思いっきり倒れていても、回転可能です。

 現在の座席も、回転時には自動的にリクライニングが解除されて背もたれが元に戻るようになっています。座席の回転ペダルを踏むと、2席または3席すべての背もたれが元に戻ります。車掌は車内巡回時、空席のリクライニングを直すのにペダルを踏んで直しています。
 知らない客が、目障りな前の空席のリクライニングを直すのにいちいちリクライニングレバーを操作して直しているのを見ると、素人だな~なんて思ったりしています。
 たまにペダルを踏んでリクライニングを戻している人を見ると、お主やるなと感心してしまいます。

 結論、リクライニング機構はいらない。最適な角度に固定した背もたれの座席を最初から提供すれば良いのです。それは飛行機もバスも含めてね。
 背もたれがほとんど平らになる夜行バスとかは別かな。昼行時と夜行時で運転手が、個々のリクライニング操作角度を制御、制限させるような方法ができないかな。


Posted by よっぱらいくま at 11:22│Comments(0)TrackBack(0)日記

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