2013年08月14日

名古屋駅周辺の鉄道の変遷

 近所の図書館で国土地理院の名古屋の古地図を見つけました。
 鉄道路線の変遷がよくわかり、とても興味深く、コピーしました。
 測量、発行年月をメモし忘れましたが、だいたいわかります。

 まず一番古い地図です。


 
 まだ中央本線はなく、東海道本線と関西本線だけが記載されている。名古屋駅は現在よりも南側の笹島付近にあり、関西本線が分岐した地点に「あいち」という名の駅がある。現在のあおなみ線笹島ライブ駅付近だ。名古屋駅の北側から市中心部への引込線の記載もある。
 東海道本線が栄を中心とする市街地を避けて、市街地の周辺に沿って建設されたことがよくわかる。市街地を避けて鉄道を建設した典型である。こういう路線選定手法が、のちの誤った鉄道忌避伝説につながっている。



次に古い地図



 中央本線が現れている。千種駅しかない。
 中央本線も名古屋市街地を避けて、外周部の何もないところへ建設したことがよくわかる。



次の地図



 関西本線のあいち駅は消えている。
 名古屋港への貨物線、白鳥方面(貯木場)や現中央卸売市場への引込線貨物線も現れている。
 東海道本線の熱田方から中央本線へ直通できる短絡線も現れている。
 名古屋駅前から市電も拡がっている。



次は



 全体的に市街化が進んでいる。笹島貨物駅も現れている。



次は



 この地図から名古屋駅が北側に移転しているため消えていて、さらに線路が西側に路線が付け替えられていることにも注目。昔の東海道本線は現在の名古屋駅よりも東側、ちょうど現在の桜通口の駅前広場を通っていたのだ。
 関西本線に「こめの」駅の表示が現れている。



次は



 名鉄の駅表示が現れている。旧国鉄名古屋駅付近「しんなごや」、そして「さんのう」と「かなやまばし」の表示もある。
 この地図から、東海道本線と中央本線への短絡線が消えている。この短絡線跡は現在では痕跡はないが、熱田方の現在の熱田イオンの北側あたりから北東へ斜めにある小道が、なんとなく昔の短絡線のなごりをとどめているようにも見える。
 中央本線に「つるまい」駅も現れている。


次は

 

 市街地に市電の路線が縦横に敷かれている。
 中央本線金山駅はまだない。



次は



 昭和の末期。
 中央本線に金山駅の表示がやっと出てきた。ちなみに国鉄中央線金山駅は1962年開業。

 このあと、平成になってから、東海道本線に金山駅ができて、名鉄金山橋駅が移転、統合して金山総合駅と現在の姿となった。
 白鳥や中央市場への貨物線の廃止も昭和の末期で、平成元年にデザイン博の会場となった現在の国際会議場、白鳥センチュリーホールの一帯は、国鉄貨物駅と貯木場だった土地だ。白鳥への貨物線跡は現在でもその線路跡がそのまま道路となっていて、地図上ではっきりわかる。
  

Posted by よっぱらいくま at 16:18Comments(1)TrackBack(0)廃線跡、未成線