2014年02月18日

急行 かいもん・日南

 昭和の時代までだったか、いつ廃止されたかよく覚えていませんが、九州島内にはふたつの夜行急行列車が走っていました。
 どちらも、門司港と西鹿児島を結んでいた、「かいもん号」と「日南号」です。「かいもん」は鹿児島本線経由、「日南」は日豊本線経由です。「日南」は末端の宮崎と西鹿児島間は普通列車で、北九州と宮崎を結ぶ役割でした。「日南」の上り、西鹿児島発は通勤列車でした。
 「かいもん」、「日南」ともに編成は12系客車の自由席と指定席、そして20系寝台車を連結していました。12系と20系客車は電源の仕組みが違うので、混結に際しては、20系が12系から電気を得るために改造したとか聞きました。

 「かいもん」、「日南」ともに盆暮れ正月以外は空いていました。夏休みでもピーク時以外はワンボックス2人程度でした。九州ワイド周遊券での旅では、宿代わりとして重宝しました。
 下りだとだいたい客は小倉から乗車するので、始発の門司港から必ず乗ったものです。門司港からガラガラの状態で発車していくのは、独特の雰囲気がありました。
 12系客車は座席も広くシートピッチも広かったので楽でした。下手にリクライニングするけどロックしなかった「簡易リクライニングシート」の14系よりも私には快適でした。座席を向い合せにして4人分占領できれば14系も楽だったけれど。

 宿代わりとしても12系に乗るには、発電用エンジンを積んでいるうるさいスハフよりもオハを選ぶのは常識でした。「オハ
」の「オ」は客車の重量を示す記号で、32.5トン以上37.5未満の意味で、「ス」は37.5トン以上42.5トン未満という意味です。ディーゼル発電機を積んだ車両は、当然重いのです。こんな若い頃覚えたくだらんウンチクは、なぜか忘れません。
 ちなみに客車の重量を表す記号は、「コホナオスマカ」の順に重くなります。軽量客車の10系客車を代表するナハ11やブルトレ元祖の20系客車のナハネ20とか軽量級の代表格です。現在は「ナ」クラスの客車はありません。「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」などの24系25型とかほとんどが「オ」クラスです。それで巨大なディーゼル発電機を積んでいる電源車は「カニ」とかの最重量級の「カ」です。ちなみに「ニ」は荷物車の意味です。夜行寝台特急全盛期には、荷物室も大活躍していました。荷物室のない電源車は「カヤ」とかでした。「ヤ」は業務用車両という意味です。「カヤ」は一時期、架線から電気を得て発電する電動発電機搭載の車両があったとと記憶します。ディーゼルエンジンとモーターを両方積んでいたので、荷物室を設置するスペースがなかったのです。架線の電気とディーゼルエンジンの両方に頼るのはあまり効率がよくなかったのか、「カヤ」は量産されず、消えていきました。

 話しが脱線ししましたが、九州の「かいもん」、「日南」は大好きな列車でした。かいもんはその後特急化電車化されて、
夜行特急「有明」として延命しましたが、いつの間にか消えました。
 九州新幹線が鹿児島中央まで走っていて、わずか2時間もかからずに博多から鹿児島中央まで行ける今では、夢のような列車と時代でした。宮崎方面は今でも時間がかかるので、「日南」みたいな列車があってもとは思いますが、無理でしょううね。


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