2012年10月20日

TGVの思い出

私が初めてフランスへ行ったのは約20年前。
パリの近郊へ行って、線路際で写真を撮っていました。
そうしていると、保線員の集団がやってきました。私の方へ来て何か言ってきます。
私は線路に面した道路から、ズーム機能もないバカチョンカメラを構えていました。
手招きして、「こっちに来い、そんなところよりもいいぞ」みたいな手振りで来いと言っているみたいでした。
それで線路を渡って、線路と線路の間の比較的広い場所に入っていきました。
そこならもっといい写真が取れるぞみたいな態度で、笑って去っていきました。
私は、「めるしー、ぼくー」とお礼を言いました。

そこは、例えれば、東海道本線の茅ヶ崎-平塚間の相模川の平塚寄りにある、下り線と上り線の間が広く離れているところみたいでした。そこで私は中学生の頃、写真を撮ったことがあります。踏切から入っていくことができました。現在ではそこは踏切に沿って、線路とは直角に、フェンスが設置されて入れないようになってます。もちろん線路の部分にはフェンスはないけれど、立入禁止を主張しています。

で、話しは戻って、その線路と線路の間で写真を撮っていました。
パリ近郊の在来線です。近郊列車が何本も通っていきます。
しかし、そこにはTGVも通るんですね。
その頃はパリのターミナルから近郊区間は在来線を通って、郊外に出ると専用の新線を時速300キロで走っていたと思います。
でも、TGVは在来線区間もそれなりのスピードで走るんです。

私は在来線感覚で写真を撮っていたんですが、TGVが迫ってきたらそれこそ、あっという間に接近して真横を通過していきました。200キロ近く出ているのではと思いました。日本の在来線特急感覚とは別世界で、のけぞってしまいました。
シャッターを押すタイミングがまるで合いませんでした。

これは日本では絶対に味わえないことでした。だって、新幹線の線路には入れないし、入ったら新幹線特例法で入っただけで犯罪です。
前に新幹線線路に身を乗り出して写真を撮っている人を見つけて、JR職員が警察に通報したのどうとかと新聞に載ってましたよね。

フランスの保線員に入っていいよと言われて、TGVも走っている線路に入って、すごい体験をしたものです。
いまでもフランスはこれほどおおらかかどうかは、知りません。
日本も、昔に比べて、やたらギスギスした社会になっていると思います。

線路敷地内から、道路に戻るときは、遠くにTGVが迫っていないか、厳重に警戒して線路を渡りました。



Posted by よっぱらいくま at 21:57│Comments(0)TrackBack(0)旅行記

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