2017年11月24日

北陸3セクの旅

新潟から米原まで、旧JR信越本線~北陸本線を、両端のJRを含めて、3社の三セクを通しで乗りました。前回書いた、磐越西線の旅からの続きです。

北陸新幹線が開通して並行区間が3セク化されたからは、初めての乗車です。
新潟から直江津までは、JRの特急「しらゆき」という、最近?できた特急に乗りました。約2時間の快適なJRの最新車両の旅でした。何系というのかは知りません。昔だったら485系だったのでしょうが、485系も全滅ですね。


車内で、新潟駅で買っておいた駅弁を食べました。新潟駅は種類は少ないものの、私好みの駅弁が多く、買うときは迷います。今回はこれ。私の好物が詰まっています。





新津駅の構内は広く、まだまだ磐越西線のキハ47系統が数多く見られます。これも近い将来に消えていくのでしょう。



直江津に着いて、いよいよこれから、金沢まで3セク3社の乗り継ぎです。直江津駅の乗り換え通路には、駅弁屋さんが元気に営業中です。三セク駅になってもこの姿は変わっていないようです。北陸本線と信越本線のジャンクションだった直江津駅は国鉄時代から鉄道の要衝の駅でした。EF62やEF81がごろごろとたくさんいた広い構内に今、その面影はありません。
さて、えちごトキめき鉄道に乗り込みます。直江津駅のこのホームからは、昔はEF81に牽引された旧型客車、583が改造された419系、455系急行型アコモ改造車などに何度も乗り込んだ思い出があります。直近では2010年頃に金沢と直江津を455で往復したのが最後です。
えち鉄の泊行きは、予定通りの新型気動車1両。旧客の時代なら最低でも4両か6両。455、419でも3両編成。収容力は大幅減、それでも本数が大幅に増えていれば良いけれど、JR時代と大差ないです。案の定ほぼ満席で、かろうじて2列席の通路側に座ることができました。車内は立ち客も20人くらいいます。今日は土曜日の昼過ぎ、車内の客層はあきらかに地元の短区間乗車組よりも、乗り通しそうな客が多いです。車内がクロスシートだから、秋田地区の701系なんかよりもまだましですが。
直江津を発車したあとは、昔は485系が数多く疾走していた立派な線路の国鉄大幹線を、なじみの景色を見ながら走ります。1両の気動車と各駅の長いホームが違和感満点です。
トンネル内にホームがある筒石駅で、鉄道マニアが数人下車しました。最近、朝の情報番組で上越線の土合駅が取り上げられていたけれど、こういう駅がテレビで話題になる時代になりました。私らの世代の鉄道マニアなら当たり前の情報なんですがねえ。その番組で、土合だけでなく筒石も取り上げていたら、スタッフは通だのぉ~と誉めてあげたのに。
糸魚川で、たぶん大糸線か新幹線に乗り換える客と地元客がたくさん降りて、ようやく私も窓側に座ることができました。
親不知付近で国道と高速道路が海側に現れます。


親不知駅は駅名標のデザイン以外、何も変わっていません。


この区間は、親不知子不知をまさに体現しているのが、高速道路の建設場所です。海に張り出すしか場所がなかったのです。北陸新幹線は山の中を長大トンネルで貫いていますが。


市振駅です。ここがえち鉄と、あいの風とやま鉄道との境界駅ですが、列車はすべて泊駅まで行きます。


越中宮崎駅はとやま鉄道の駅だけど、ほとんどえち鉄の気動車しか通りません。時刻表を見ると、朝晩の2本だけとやま鉄道かIRいしかわ鉄道の電車が糸魚川まで乗り入れるので、その電車が走るのみです。




泊駅で乗り換えです。
この駅でのえつ鉄ととやま鉄との乗り換えは、同じホーム同じ線路に2本の列車を入線させるという、乗り換え客に楽な方法をとっています。


富山方から泊止まりの電車がえち鉄が止まっているホームに入線。

ホームではこんな感じ。





ホームには案内板もありますが、何人かの人は、乗務員に乗り換え方法を聞いていました。


泊駅、国鉄、JR時代には、降りたことはありません。下車は初めてです。国鉄時代から、泊始発の富山方面への普通列車はありました。





窓口はあり長距離切符も買えます。

実は私は磐越西線の旅のため、郡山駅でこちら方面への通しの切符を買おうと思っていました。
郡山駅で私は、郡山発で磐越西線、信越線、北陸3セク経由、金沢、名古屋と、通しで発券してもらおうと頼みました。郡山駅の窓口の若い女性駅員は長いこと端末を操作していたけれど、発券できませんでした。
指定された私鉄を挟んで、両端が国鉄、JRでの通し発券、連絡きっぷという制度があります。そうすると両端のJR区間の距離を通算されるので、遠距離逓減が効いて安くなったのです。ただしその条件は間の私鉄は1社のみでした。しかし、北陸本線が細分化して分断されたのだから、国鉄JR時代は当たり前だけど通しで買えたのだから、私は新幹線開業のために分断された3セク鉄道なら通しで買えるものと思い込んでいました。
しかし、やはり通し発券は1社のみしかできないと、郡山駅で格上の男性駅員が何か分厚い通達集か規則を持ってきて説明されました。結局、なぜか糸魚川までしか発券できないということで、この窓口で糸魚川から泊駅までの区間の乗り越し精算をすることになったのです。所属でいえば市振までは発券できたはずだけど、よくわかりません。要するにこの区間を乗り通すには、それぞれの3セク区間を細切れに買うことになるうえ、JR区間も分断されるということです。乗り換えばかりで切符は通しで買えず、完全なサービス低下であり割高になるのです。整備新幹線の開業と並行在来線の3セク化は、どう見ても理不尽です。
泊駅から名古屋までの切符も頼んだけれど、こちらは買えたけれど通しというか、泊-金沢間の切符と、金沢-名古屋の切符を分断して買えただけです。しかもカードで支払いを頼むとJR区間は使えるけれど3セク区間は現金しかダメということでした。それでも窓口氏はちゃっかりと、金沢-名古屋の特急券はいらないのと言ってくるので、しらさぎの名古屋行きか米原行きに乗るかは決めていなかったのでとりあえず、金沢-米原の特急券はささやかながらとやま鉄道が受け取るJRからの手数料分の増収に協力するために併せて購入しました。

郡山-名古屋の運賃、JR時代と3セク化した現在を計算してみました。
JR通し 10,480円
直江津-金沢 3セク化後 12,900円
差し引き 2,420円高くなりました。そして在来線特急がなくなった分、時間もかかるようになりました。

ちなみに、上越妙高まで行って、上越妙高と金沢間を新幹線利用で計算すると
こちらは直江津-上越妙高間はえち鉄となるけれど、前後のJRは通算されるので
郡山-名古屋(北陸新幹線経由) 10,720円と、3セク経由よりも乗車券は大差ありませんが、新幹線特急券の2,590円分(自由席)がもれなく加算されます。
名古屋から富山へ行くのにも、金沢で乗り換えさせられて割高な新幹線に乗らされるのはどうかと思います。せめて金沢-富山間は隣駅扱いの特定料金の適用でもしてくれたらと思います。乗り継ぎ割引はあるけれど。


泊駅前には古い駅前食堂が健在でした。


ホームの跨線橋の柱には、古いレールがありました。


泊からは、金沢直通の電車を選んで乗りました。だって、富山の乗り換えが面倒だし、良い席に座れるかどうかもわからないし。

倶利伽羅駅もJR時代と変わりありません。いしかわ鉄道の駅名標はJRのものをそのまま使用しているようで、社名のシールが目立たないくらいの小ささで張ってありました。



金沢駅に夕方到着。ホームも駅構内も、乗降客があきらかに新幹線開業前よりも増えています。
今日は車内で酒は一滴も飲んでいないので、金沢駅名店街にあるお気に入りの店「山さん」で日本酒を飲みました。ここの鰯の刺身はやっぱり旨かったです。おでんももちろんで、いつもの倍食べてしまいました。

金沢からは、3セクに比べれば遙かに快適なしらさぎに乗って、名古屋へ帰りました。
感想としては、覚悟していたからか、直江津から金沢まで、時間はたっぷりかかったけれど、なかなか楽しかったということです(直江津-糸魚川間は除く。やっぱり1両はひどい)。最も移動だけが目的だったら、選択肢にはならないでしょうね。しらゆきで上越妙高まで行って、北陸新幹線に乗り換えて金沢へ向かった方が賢明でしょう。


Posted by よっぱらいくま at 17:47│Comments(0)TrackBack(0)乗車記 JR

この記事へのトラックバックURL

http://kumatetsu.mediacat-blog.jp/t125259