2014年04月10日

高速料金 値下げの終焉

この春から、民主党政権以前の自民党政権で始まった、経済対策をうたった高速料金の値下げがついに終わりに近づいてきた。
理由は、税金を投入した原資が底を尽きたから。
平日割引も廃止され、休日割引も段階的に割引率が下がる。
通勤割引も制度が変わった。

社会実験と称した無料区間とか、休日1000円などという究極の愚策は、東日本大震災を契機にやめていた。
あまりにも無理、矛盾があったことの証明だ。

莫大な国費、税金を投入して、民間会社である高速道路会社の経営に介入して高速道路の料金を下げるという愚かな行為で、誰が得をしたのか。
それは自動車利用者だけである。
自家用車で高速を利用する人間のための税金投入を、税金の無駄遣いという批判がなぜ出なかったのだろうか。
結局、国民もマスコミも、自動車大好きだからというほかない。
どんな経済効果があったのだろうか、まったく可視化されていないし、明確な説明もない。

休日1000円などは、JR四国などをはじめとした鉄道利用が減ったり、フェリー航路の廃止を招いたり、無駄な利用が増え渋滞も増えてCo2の大幅な排出増加などを招いただけではないか。
もう忘れ去られているが、そのようなことも当時は報道されていた。

投入した税金以上に、日本経済に貢献し国民生活の向上に寄与し環境保全に貢献したという明確な証拠があれば、再度税金を投入して続ければよいではないか。
値引き継続ができないのは、結果が伴っていないことの証明だ。良い結果が出たどころか悪弊しかなかったのが答えだ。
クルマの存在が環境面でメリットになることなどある訳ない。
政治家は誤魔化さないでいただきたい。国交省の役人は説明責任があるだろう。
愚かな国民は、高速料金を値下げして文句言う奴はいないだろうと、結果なんて説明する必要ないと思っているのだろう。

経済効果をうたい結果、無駄な自動車利用を増やして温室効果ガス、Co2の排出を促進しておいて、一方では何が地球温暖化防止だと言いたい。
原発を止めて火力発電が増加しているのに、自動車利用はそのままにしておいて、何がエコだの節電だと言いたい。
原発反対を唱える人間は、自動車利用をやめて公共交通機関だけを利用するような覚悟を持つべきだ。
そういうことにはマスコミもまったく気がつかないし、決して言わない。

値引き当初は、高速のSAなどの売り上げが増えたとか、観光地の人出が増えたとか、どうでもよいことしか報道されなかった。
それを日本国への経済効果が大きかったなどという結果が伴ったのか、バカもやすみやすみにしろと言いたい。

結果は、自動車利用者、自動車業界を甘やかしただけではないか。
それでも、自動車業界等は自動車への課税は大きすぎると、自動車諸税の減税や廃止を叫ぶ。
そして、選挙目当てのバカ政治家も、そういう声に乗る。
自動車業界しか見えない、トヨタの下請企業愛知県のバカ知事が良い見本だ。

自動車というあれだけ便利で身勝手なものを自由自在に24時間も勝手に利用することができるために、道路整備を始め道路網の維持管理に費用がかかると考えているのか。
自動車にかかる社会的費用をすべて自動車利用者が払う税金だけで賄えるわけではない。
広く国民が納税している税金で賄われているのだ。
トラック業界とか自動車関係団体が、自動車税の負担軽減をなどと言っているのを聞くと、自動車業界の偏差値は本当に低いのだと、改めて思う。
そういう意味、政治家もバカが多い。

私も月数回、高速を利用するが、この4月から料金が上がって驚いた。
しかし、やっと元の定価に戻っただけだ。
これで、高速本来の機能が取り戻されてほしい。
高い金を払っても快適に早く移動できるというものに。

4月になってから、東名高速も通行量が減った気がするが、気のせいだろうか。
早朝だったが、常に前後左右がクルマに囲まれる暫定3車線区間で、前後左右にまったくクルマがいない瞬間が何度もあったので。

4月は消費税増税のどうでもよいニュースばかりで、高速料金制度が変わったという新聞やテレビ報道は、一度も見なかった。
マスコミも消費税ばかりに目がいっていた。マスコミもその程度ということ。
  

Posted by よっぱらいくま at 21:04Comments(1)TrackBack(0)政治・社会

2014年04月10日

三陸鉄道全線復旧 鉄道と道路 復興の不公平

三陸鉄道が全線で復旧した。
まずはめでたい。
かたや、JRの宮古~釜石間は未だ、復旧の見通しはおろか復旧工事すら始まっていない。
その問題点をマスコミは取り上げない。

三陸鉄道は第三セクターで、独力での復旧工事は不可能との理由で、国費による復旧工事が行われた。 
JRは、莫大な工事費の捻出に二の足を踏んでいる。
国は、JRは黒字経営で資金力もあるという理屈で、国費負担を拒んでいる。
国交省幹部のコメントに、がっかりした。
もっとも国交省は、政治家の判断次第なのだから仕方ない。
世間に、官僚主導打破だのなんだの世迷い言が流れているが、所詮官僚は、政治判断がなければ動けない。
官僚主導打破などと叫ぶバカ政治家に金を貸して、だまされたと騒いでいる大金持ちも、同類のバカである。
同類相哀れむを絵に描いたような、滑稽な騒ぎである。

交通インフラの震災復旧に、経営側が黒字だとか赤字だとか体力があるとかないとかは、まったく関係ないと断言する。

公共交通である鉄道の復旧のために、復興予算をつぎ込んで、とっとと鉄道という社会インフラを復旧させろと言いたい。

JR東は大船渡線などをBRTとかいう半端な手法で仮復旧させている。最低限のカネしかかけないという姿勢だ。
こんな邪道な方法ではなく、国費をつぎ込んで元の鉄道を復活させるべきである。

道路インフラは、国費をつぎ込んで、復興道路だのなんのと、従前よりも立派な道路を乱立させているではないか。
なんて、鉄道には冷たい国なんだろう、日本は。
道路インフラは、はっきり言って、震災のおかげで焼け太りしているのが現実ではないか。
復興のために被災地の高速を一時無料化とかしたけれど、道路とクルマに対して甘やかしすぎだ。
被災地の高速料金を免除するなら、被災者に対しては地域交通の鉄道やバス、そして東北新幹線も国費負担にしてタダにしてやれよと言いたい。

三陸鉄道の全線復旧のニュースを見ていて思った次第です。
しかし、三陸鉄道復旧もNHKのあまちゃん効果便乗の浪花節的報道ばかりで、うんざりしたのも事実です。
  

Posted by よっぱらいくま at 20:54Comments(0)TrackBack(0)政治・社会