2017年09月25日

磐越西線の旅

本当に久しぶりに、郡山と新津を結ぶ磐越西線に乗ってきました。
純粋な鉄旅も久しぶり。

最後に磐越西線に乗ったのは、まだ50系客車が走っていた頃、午後の客車列車で会津若松から新津まで乗り通したときだと思います。平成一桁だろうから、かれこれ20年以上ぶりです。
JR東のローカル線は、新型気動車ばかりだし、たいして期待もしていなかったのだけど、まだ残っているんですね、キハ47系気動車が。

郡山から会津若松は快速電車で移動。夕方の電車だったけれど、結構空いていて、これも約1時間の乗車を楽しみました。
秋の夕暮れ時、車窓から見る会津盆地の景色はきれいでした。

雲間からもれる斜光。秋のこういう景色、大好きです。秋だなあと感じます。

この日は会津若松に宿泊。
おいしい料理と地酒を楽しみました。なかなか良い店でした。若い大将が気さくな方で、おすすめの地酒を順番に薦めてくれました。


〆には、喜多方ラーメン。駅前のこの店のラーメンは基本の味。
鶏ガラと豚のスープは、豚味がやや強い、私好みの味でした。濃厚とかこってりとかの今風にない安心できる一杯でした。


宿泊したホテル、今時一泊4500円。バイキングではない、和食か洋食が選べる古いシステムの朝食と、近隣のスーパー銭湯の無料券がついて、この値段は安い。


会津若松駅前は、旧貨物扱いホームの屋根が残っていて、鉄道が活躍していた時代が偲ばれます。
わかりずらいけれど、左が駅舎、右が旧貨物取り扱いホーム跡。


会津若松駅、磐越西線はここで行き止まり。逆方向に進んで行きます。
只見線は、郡山方面からの列車と同じ向きに発車します。


折り返しとなる新津行きが到着。通勤通学客がそれなりに乗っていました。
期待したとおり、キハ47でした。さあ、旅の始まりです。


8時14分定時発。もう学校には間に合わない時間なので高校生は乗っていないとふんでいたけれど、思ったよりも高校生が乗っています。
約15分で列車は喜多方駅に到着。高校生は喜多方で降りるのかなと思っていたけれど、誰も降りません。すでに8時30分をまわっているけれど・・・。
そして、8時41分着の次の山都駅で高校生はみんな降りてしまいました。列車時刻に合わせて学校の始業時間は9時からにしているのかな。
ここですべての客が降りてしまい、車内は貸し切り状態に。

途中、尾登駅からおばあさんが乗ってきましたが、次の野沢駅で降りました。
野沢駅は9時2分着、そして発車は27分。なんと25分間も停車するのです。
昔みたいに途中駅で長時間停車する鈍行列車は、ほとんどなくなっていますが、こんなところに生きていました。
他の客は、鉄道ファンらしき客1人と私以外、ゼロ。よそ者の私ともう一人がいなければ、普段は客ゼロとなるのでしょうか。

良い雰囲気です。昔の旅のように、途中下車して、駅前を散歩しました。
今日は夜、新潟で学生時代の友人と会い、飲む約束をしているので、今日は列車内では飲むまいと決心していましたが、こんな良い雰囲気の汽車旅となってしまったからには、飲まざるを得ません。(どういう意味だか・・・)

典型的なローカル線の途中駅の駅前通りを歩き、昔ながらの酒屋をやっと見つけました。
コンビニなんて皆無です。駅から離れた主要道路沿いには、どんな田舎でもコンビニとか今風の大型商業施設があるのだろうけれど、駅近辺は時間が止まっているような景色であることが、ローカル線の駅周辺の典型です。
まだ9時過ぎだけど、酒屋は開いていて、店のおばあちゃんと地元のおばあちゃんが話し込んでいました。
アルコールが手に入ったことに感謝して、駅へ戻りました。

野沢駅、昔は急行も停車した駅です。
待合室には、ストーブがあったことを示す穴が天井にあります。冬季には石油ストーブを今でも置くのでしょうか。






待合室には、古い写真が多数展示されていました。


発車を待つ列車。25分間の停車時間、駅前を歩いて買い物もできて、写真もたくさん撮りました。



停止位置標に「雪」の文字が各駅にありました。



もう、ホームで飲み始めちゃいました。プシュー。



発車を待つ間、車掌さんともお話しをしました。この列車のスジは以前から変わっていないとのことで、野沢駅での長時間停車は変わっていないようです。景色の良いところとか、次の長時間停車駅も教えてくれました。
この親切な若い車掌さん、なんと純粋な白人系の外人さんだったのです。聞くと生まれは外国だけど、育ちは日本とのことで、車内放送とか言葉は、顔立ち以外は日本人となにも区別できませんでしたが、ネームプレートはしっかりとカタカナでした。JR入社から5年だそうです。こういうのを本当のグローバル化というのでしょうね。JR東、好感が持てました。

野沢駅を発車してからは、窓を全開にして外の景色を楽しみました。冷房も暖房も不要な、この貴重な日、この季節、窓を開けられる列車に乗れたことはなんと幸運なことでしょうか。
今や、ボックスシートで窓を開けて外の景色を楽しめる列車なんて、日本中探しても貴重なものでしょう。








窓を開けたトンネル内は轟音です。冷房車ではない昔は、真夏なら当たり前だったのになあ。トンネル内の冷気が心地よいです。煉瓦積みのトンネルの壁に、磐越西線の歴史を感じます。煉瓦積みトンネルの壁を間近に見るのは、廃線跡巡りみたいです。


徳沢駅でも、交換待ちで10分弱停車。
駅舎は郵便局を兼ねていました。





窓が開いているところが、私の席。


上りの快速は、新型気動車。あちらよりもこっちが断然良いですわ。


通過する快速と車掌さん。

津川駅でも20分近く停車。駅前を散歩しましたが、とくに何もありません。


福島から新潟への県境区間の、野沢から津川は乗客の流動がほとんどないということが、よくわかりました。土日だと別の顔を見せるのでしょうけれど。

典型的な駅前の住居地図看板。名前のある駅の隣の酒造所とか、ほとんど現存していません。




さきほど買った缶ビール2本でほろ酔いですが、飲み足りなくなったらと念のために買っておいた缶チューハイに手を出しました。何気なく賞味期限を見たら、月単位ではなく年単位で切れていました。ビールはいつものクセで製造年月は必ず買うときに確認しますが。田舎の酒屋でたま~にあるんですよね。でも、あそこで朝から営業していて酒が手に入ったことに感謝。いつまでもお店が存続することを願っています。缶チューハイ、もちろん飲みました。ビールと違って缶チューハイは、味はほとんど変わっていませんでしたので、おいしくいただきました。

五泉あたりからボチボチと乗客も増え始めましたが、混雑することなく新津に到着しました。
本当に久しぶりの、昔ながらの汽車旅を満喫しました。窓を開けて景色を何時間も楽しんだなんて、20年以上ぶりくらいかもしれません。窓を開けられる貴重な季節、時期、天候に巡り会うのは、運だと思います。
学生時代、夏の山陰本線を窓を開けた旧型客車に一日中揺られたあと、体じゅうがDD51の排気ガスと鉄臭くなったものですが、今回も近いものがありました。

到着した新津駅近くの「大将ラーメン」という店で昼食を摂りました。シンプルにラーメンを頼んだのですが、ナルト、チャーシュー、しなちく、ネギ、そしてホウレンソウが乗った、懐かしい東京ラーメン風でした。味もくどくなくおいしかったです。こういう店、近所にはないんですよね。



このあと、新津鉄道資料館へ行ってきました。
新津鉄道資料館








Posted by よっぱらいくま at 12:28│Comments(0)TrackBack(0)乗車記 JR

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