2019年07月20日

鉄道と飲料水

 最近の新聞記事で、ペットボトルを消費せずにマイボトルを持ち歩き、街中でマイボトルに給水できる取り組みが進んでいて、給水ステーションみたいのができ始めているとのこと。
 若い人の声、「タダで水が飲めるなんてすごい。」
 うーむ、ちょっと待て。

 近頃は駅でも、車中でも自由に水が飲めなくなってきているのは事実。
 水が飲みたければ、自販機なりで金を出して水を買う時代となってきました。

 しかし、ひと昔前までは鉄道の駅でも特急などの車中でも、自由にタダで水が飲めたのです。
 


 これは京都鉄道博物館で撮った、新幹線0系の冷水器。
 国鉄の新幹線、特急、寝台列車にはすべて、デッキに冷水器があって、自由に水が飲めた。
 薄っぺらい紙コップを引き出して、それを拡げて水を入れた。
 旅の楽しみでもあった。

 寝台車のはこういう冷水器だった。良い写真がありません。
 写真は能登中島駅に留置展示中の郵便車のものを車外から撮ったもの。



 昔は当たり前にあったので、冷水器を撮影する意識もありませんでした。


 国鉄、私鉄の駅のホームにも冷水器や水飲み台があったし、東京や名古屋の地下鉄のホームにも冷水器があったものです。
 水筒、今で言うマイボトルを持ち歩いていても、給水には不自由しなかったはずです。
 というか、デパートとか商業施設にも必ず冷水器はあったし、街中でもいくらでも水飲み場はありました。
 マイボトルなど持ち歩かなくても、水を飲むのに不自由はしませんでした。

 新幹線も300系までは冷水器があっけれど、700系からなくなって、それに合わせて300系からもわざわざ撤去されていきました。
 700系までは自販機があったけれど、N700系からは自販機も当初からなくなり、既存の700系からも自販機は撤去されていきました。

 名古屋の桜通線のホームにも平成10年代前半?までは冷水器があったけれど、いつの間にか撤去されて久しいです。

 こだま号に乗ったら車販もないし、冷水器もないしで、薬を飲むときや、非常時に長時間駅間で停車したらどうするのと疑問を前に書きました。こちら

 ペットボトルの台頭と冷水器の削減は一致しています。
 水は金を出して飲め、そういう時代がペットボトルゴミを生み環境に負荷をかけてきたのでしょう。
 昔の方が鉄道会社の飲料水提供体制については、今よりもサービスが良かったのは事実でしょう。

 国鉄時代には当たり前だったサービスが、民営化になって、なんでなくなるのでしょうかね。

 鉄道ジャーナルでも、「鉄道に冷水器があった時代」とかの記事を特集してほしいな。


自分で撮った冷水器の写真、ありました。
高校生のとき、たぶん昭和54年、さくら号です。

  

Posted by よっぱらいくま at 15:06Comments(0)TrackBack(0)最近の出来事