2012年02月15日

新幹線 止めたの?

今日のニュースで、撮り鉄が新幹線の脇でフェンスから身を乗り出して撮影しているところを発見したJR東海職員が、新幹線を止めて警察に通報したとかと、報道されています。

どんな状況だったのでしょうか。
フェンスから身を乗り出して線路敷き内に上半身があったのか。
でも、どんなにフェンスから身を乗り出しても、体が新幹線に当たるには、どう考えても物理的に無理でしょう。
その人の上半身が5メートルくらいあれば別ですが。

それはともかく、なぜ発見した職員は「危ないからやめて」と注意しなかったのだろうか。注意しても従わないから、新幹線を止めて警察に通報したのか。そのあたりの背景が、まったく報道されていない。お騒がせな「撮り鉄」を悪者にするために意図的に、このような大騒ぎに仕立てたのではないかと、勘ぐりたくなります。

その場で注意して、従っていれば、こんな大事にはならないでしょう。
見つけたから危険と判断して新幹線を止めて、警察に通報するなんて、順番が違うんじゃないかと思います。新幹線を止める前にその男を注意するのが常識なんじゃないですか。

最近は、撮り鉄が迷惑をかけて列車の運行を妨害しているなんていう、鉄道写真を撮る者を悪者にする風潮がある気がします。もちろん列車の運行に支障を与えるような撮り方は論外です。最近のマニアは、ルールというか鉄道マニアとしての誇りと決まりを知らない世代になっているのでしょうか。

否、私は違うと思います。若い世代が悪いのではなく、この業界(鉄道マニア、写真マニアのことですよ)の新参者がルールを知らないのではないかと思います。定年退職後に金にものを言わせて高級機と赤いラインが入った白いレンズをいきなり手にしたようなにわか写真マニアが、写真撮影のルールも知らずに傍若無人な行動をしている風景は、鉄道写真の現場以外でもよく見かけるような気がします。

私らみたいに何十年も鉄道写真を撮り続けた者にとっては、マニア間の厳格なルールがありました。他の写真を撮る人に迷惑をかけない、もちろん列車の運転士に不安を与えるようなポジションにつかないなど、当たり前のことでした。だから、他人に迷惑となるところでカメラを構えようものなら、他から罵声を浴びたりもしたものです。

私も最近は撮影はご無沙汰なんですが、昔は線路際に立ってよく撮影しました。それでも問題を起こしたり鉄道職員に怒られたなんてことは皆無ですよ。私のルールは線路際に立つ際は、必ず架線柱の脇に立って、それも架線柱の外側に立つ、それが最低限のルールです。これなら線路際の柱の外側ということで、運転士から見ても安全をアピールできるかなと考えました。でも、最近はこれでもだめかな。

最近のぎくしゃくした社会風潮は、大目に見てくれるということもなくなっていると思います。
昔はこの写真のように、ホームから線路に降りて撮影するなんてことも職員は大目にみていましたよ。




この上の写真は昭和54年の名古屋駅です。停車しているさくら号の機関車を撮るために、ホームから線路に降りても、何も言われませんでした。






これは私もホームから降りて撮った、さくら号牽引のEF65の1000番台の正面です。
今はなき松坂屋も背景にあります。セントラルタワーなんてない時代です。

今なら、こんなことしたら、警察呼ばれて新聞沙汰になるだろうと、皮肉りたくなるような時代でした。
JRの立場で考えれば、今の時代は何かあったら管理責任を問われる、マスコミに叩かれる、そういう時代だから、今日のような対応になるのかなとも思います。

もっと社会が、余裕と寛容を持つ世の中になってほしいものです。  

Posted by よっぱらいくま at 18:55Comments(1)TrackBack(0)政治・社会